「microSDカードを選ぶ基準は、単に容量が大きければいいわけではない」と言われても、その理由を科学的に説明できるでしょうか。本記事では、SDカードの規格や速度クラスの仕組みを技術的に解説します。
SDカードの内部構造と動作原理
microSDカードは、NANDフラッシュメモリとコントローラーチップで構成されています。データの読み書きは、コントローラーチップがNANDメモリの特定のアドレスを指定して行います。このときの転送速度は、NANDメモリの種類(SLC、MLC、TLC、QLC)とチャンネル数に大きく依存します。
SLC vs MLC vs TLC
- SLC(Single-Level Cell): 1セルに1ビット。高速で耐久性が高いが高価
- MLC(Multi-Level Cell): 1セルに2ビット。コストと性能のバランスが良い
- TLC(Triple-Level Cell): 1セルに3ビット。安価だが速度と耐久性は劣る
- QLC(Quad-Level Cell): 1セルに4ビット。最も安価だが最も低速
Switch用のmicroSDカードの多くはTLCまたはQLCを採用しています。
速度クラスの本当の意味
UHS Speed Class
UHS-I規格のカードには「U1」(最低10MB/s)と「U3」(最低30MB/s)があります。この数値は最小保証書き込み速度であり、読み取り速度ではありません。つまり、U3のカードは動画の連続書き込みでも30MB/sを下回らないことが保証されています。
Application Performance Class(A1/A2)
A1とA2は、ランダムアクセス性能を示す規格です。ゲーム機のように、小さなファイルをランダムに読み書きする用途では、この性能が非常に重要です。
- A1: ランダム読み取り1500IOPS以上、ランダム書き込み500IOPS以上
- A2: ランダム読み取り4000IOPS以上、ランダム書き込み2000IOPS以上
A2のカードはA1の約2倍以上のランダムアクセス性能を持ち、ゲームのロード時間短縮に効果的です。
Switchの読み取り速度の上限
Nintendo SwitchのmicroSDカードリーダーはUHS-I規格に対応しており、理論上の最大転送速度は104MB/sです。つまり、どんなに高速なmicroSDカードを使っても、Switch本体側の上限は104MB/sとなります。そのため、「170MB/s」などと謳うカードをSwitchに使っても、その半分程度の速度しか出ないことを理解しておきましょう。
まとめ
microSDカードの性能を最大限に引き出すには、速度クラスと本体の制限を理解することが重要です。Switchの上限は約104MB/sのため、130MB/s以上の読み取り速度を持つカードは十分です。ランダムアクセス性能を示すA2対応カードを選ぶことで、より快適なゲーム体験が期待できます。

